泡消火設備の点検基準の改正で、一斉開放弁の点検頻度が変わりました!

皆さま、こんにちは。

千葉県千葉市を拠点に消防設備の点検・保守、工事を手掛ける有限会社新田防災です。


前回の記事では、泡消火設備の特徴をご紹介しました。特殊な火災の消火に役立つ泡消火設備ですが、正しく作動させるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。その点検基準が、2021年の法改正によって変更されたことをご存知でしょうか。今回は変更された点のうち、泡消火設備の「一斉開放弁」の点検基準について解説します。



■泡消火設備の一斉開放弁の点検基準はどう変わった?



一斉開放弁は、消火が必要な区域のすべての放出口(ヘッド)に対し、一斉に水や消火剤を送り出すために開放する制御弁です。泡消火設備だけでなく、スプリンクラー設備や水噴霧消火設備などにも設けられています。実際に火災が起きた場合は、手動起動弁を操作して泡を放出するか、自動で火災を感知する感知用ヘッドが作動することによって一斉開放弁が開き消火ポンプ(加圧送水装置)を起動さるて泡が消火される仕組みになっております。


一斉開放弁の点検は、以前のルールだと6ヶ月に一度行う必要がありました。点検の内容は、「一斉開放弁の二次側の止水弁を閉止するとともに排水弁を開放し、手動式起動操作部の操作により機能を確認する」というものです。「いつ設置したか」は問われないので、設置からあまり年月が経っていないものでも、6ヶ月おきに点検しなければなりません。


しかし、昨年の法改正によって、「設置から15年経過したもののみ」が機器点検・総合点検の対象となりました。加えて点検の頻度も、以下のルールに従えばいいことになったのです。


15年経過したもの…その後5年以内に全数を点検

20年経過したもの…点検を直近で行った日から5年以内に点検


具体例を挙げると、令和元年に設置した一斉開放弁は、2033年までは点検する必要がありません。2034年~2038年は、自由なタイミングで全数を点検します。一斉開放弁が100個設置されているなら、1年につき20個ずつ点検しても、どこかで100個まとめて点検してもOKです。


そして2039年以降は、最後に点検を行った日を起点として、5年スパンで同じことを繰り返していきます。もちろん、機能に問題があるなら、交換や修理などの対応が必要です。



■法改正に至った経緯



昨年の法改正の内容は、なかなか思い切ったものでした。このような法改正が行われたのは、一斉開放弁の点検における負担が非常に大きかったからです。


実際にすべての一斉開放弁を動かして機能を確認するという点検は、気軽にできるものではありません。加えて、使用した薬剤は外部環境に漏洩させることなく回収する必要がありました。中には、薬剤の漏洩を防ぎきれず環境汚染につながっていたケースもあったでしょう。


これを6ヶ月に一度行うというのは、想像以上に大変です。一斉開放弁が100個単位で設置されているような建物だと、現場にとっては相当な負担になります。実際、点検業者を対象にしたアンケートでも、薬剤が放射される区画の養生や周辺の制限などが必要になり、対応に苦慮しているとの声が上がっていました。


こういった声に答え、現場の負担をできる限り軽減できるよう、実質的に点検の回数を減らす法改正が行われたわけです。まだ法改正から間もないのではっきりとした評価はできませんが、負担が減って助かる企業・施設は多いと考えられます。



■法改正はされたが、実際のところ全数点検は難しい?



この度の法改正により、一斉開放弁の点検の負担は確かに減りました。しかし実際のところ、それでもなお全数点検は難しい状況にあります。点検するたびに別途費用が発生するので、多くの企業・施設は相変わらず負担に感じているのが実情です。


私たち点検業者としても、既存の点検物件にはなかなか案内しづらい状況にあります。器具の更新の案内などに変更できないか、同業者間でも話し合いをしているところです。


また、そもそも法改正が十分に浸透しておらず、新基準に則った点検がなされていないケースも今後増えてくるかもしれません。点検業者にも相談しつつ、最も負担の少ない点検計画を立てるのが望ましいでしょう。



千葉県千葉市の新田防災では、大小問わず建物の消防用設備の点検・保守を行っております。泡消火設備の設置工事やメンテナンスも豊富な実績があり、施設の用途や規模に応じた正確な施工が可能です。もちろん、設置後の点検もあわせてお任せいただけます。消防用設備の設置・追加・点検が必要な時は、お気軽に新田防災までご相談ください。