皆さま、こんにちは。千葉県千葉市を拠点に消防設備の点検・保守、工事を手掛ける有限会社新田防災です。
前回の記事では、泡消火設備の点検基準の改正について解説しました。泡消火設備は、通常の消火設備だと消火が難しい場所に必ず設置し、いつでも使えるように点検しておくことが大切です。では、泡消火設備はどのような防火対象物に設置されるのでしょうか? 今回は、泡消火設備の設置基準をご紹介します。
■泡消火設備の設置基準
泡消火設備の設置基準は、防火対象物の用途や基準面積によって決められています。基準に沿って設置していなければ十分な消火能力を得られず、法令違反にもなってしまう場合もあるため、しっかりと確認・設置することが重要です。基本的な設置基準を見ていきましょう。
・飛行機などの発着のために使用されるもの
飛行機または回転翼航空機(ヘリコプターなど)の格納庫は、特に油火災のリスクが高く消火が困難な場所でもあるため、通常は泡消火設備が設置されます。屋上にあるヘリコプターや垂直離着陸航空機の発着場も同様です。
・自動車の修理または整備に利用されるもの
自動車の修理工場や整備工場も、飛行機の格納庫などと同程度にリスクの高い場所なので、泡消火設備の設置が推奨されます。1階で500㎡以上、その他の階で200㎡以上の面積だと設置可能です。
・立体駐車場など駐車のために利用されるもの
数多くの自動車が駐車される駐車場でも、当然ながら油火災に備えておく必要があります。泡消火設備の設置基準は1階で500㎡以上、屋上部分で300㎡以上、その他の階で200㎡以上の場合です。
ただし、「駐車するすべての車両が同時に屋外に出ることができる構造」の階は面積に含みません。要するに、「駐車されている自動車が横一列もしくは二列に並んでいて」「シャッターなどの遮蔽物がなく常時開放されており」「火災発生時に一斉に外へ逃げられる」構造の場所では、特殊な消火設備を設置しなくていいということです。
・昇降機等の機械装置により車両を駐車させる構造のもの
地下駐車場などでよく見られる機械式駐車場は、昇降機を使って車を収納します。これは多くの車を限られた空間に収納するのに加え、すべての車両をスムーズに移動させることも難しく、油火災のリスクが高い場所です。泡消火設備の設置基準は、車両の収容台数が10台以上の場合です。
・道路と建築物が一体をなすと認められるもの
立体道路など、道路と建築物が一体化している場所も、火災発生時に被害が大きくなる可能性があります。泡消火設備の設置基準は、屋上部分なら面積が600㎡以上、それ以外なら400㎡以上の場合です。ただし、カウントされるのは道路部分の面積のみで、実際にこの用途が発生することはほとんどないとされています。
【泡消火設備に関しては下記記事もご覧ください!】
・泡消火設備の点検基準の改正で、一斉開放弁の点検頻度が変わりました!
・泡消火設備はどんな火災に使われる設備?消火の仕組みや主なタイプを紹介
■その他、泡消火設備の設置が可能な場所
前項でご紹介したもの以外にも、泡消火設備の設置が求められる場所はあります。それは、指定可燃物を貯蔵または取り扱う場所です。「危険物の規制に関する政令」の別表第4では、特に可燃性の高い品目を定めており、それらを一定量以上扱う場所では泡消火設備などの特殊な消火設備を設置しなければなりません。
具体的には、綿花類や木くず、紙くず類、糸類、わら類。油がしみ込んでいる布や紙、石炭・木炭類。可燃性の固体・液体類や合成樹脂類。そして木材加工品及び木くずなどが該当します。なお、設置面積や階層の基準はありませんが、引火点や燃焼熱量などの細かい条件が定められている品目もあります。
したがって、自社の施設に泡消火設備が必要なのか、あるいは他の消火設備の方がいいのかは、しっかりと確認するのがおすすめです。専門業者に相談し、適切な消火設備の設置と運用を行いましょう。
千葉県千葉市の新田防災では、大小問わず建物の消防用設備の点検・保守を行っております。泡消火設備の設置工事やメンテナンスも豊富な実績があり、施設の用途や規模に応じた正確な施工が可能です。もちろん、設置後の点検もあわせてお任せいただけます。消防用設備の設置・追加・点検が必要な時は、お気軽に新田防災までご相談ください。
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