台風の接近時は火災報知設備の誤作動が多発! 慌てず対処しましょう

皆さま、こんにちは。

千葉県千葉市を拠点に消防設備の点検・保守、工事を手掛ける有限会社新田防災です。


夏から秋にかけては、多くの台風が日本にやってきます。この時期に発生しやすいのが、自動火災報知設備(自火報)の誤作動です。マンションやビルのオーナー様の中には、誤作動の原因がわからず対応に苦慮したことがある方も多いでしょう。そこで今回は、台風の接近時に自動火災報知設備が誤作動を起こす原因と、現場での対処法をご紹介します。




■自動火災報知設備の誤作動が起きるとどうなる?



自動火災報知設備は、火災を早期発見し被害を最小限に抑えるための設備です。主に「感知器」「地区音響装置(ベル)」「発信機」「受信機」などから構成され、一定以上の規模や構造の建物には設置が義務付けられています。


仕組みとしては、まず感知器が熱や煙を感知し、受信機に信号を送信。それを受けた受信機が警報を発し、ベルの鳴動や火災地区の表示によって、建物内にいる人に火災の発生を知らせます。自火報が作動したらすぐに確認を行い、避難を開始しなければなりません。


ところが、台風や豪雨といった悪天候の時は、自火報が誤作動を起こすことがあります。つまり、火災が発生しているわけでもないのにベルが鳴ったり、消防署へ通報が行ってしまったりするのです。時には、防火シャッターや防火扉が閉まってしまうこともあります。


もちろん誤作動ということは、実際には火災が起きていないわけですから、その点では安心していいでしょう。しかし、大きなベルの音が施設の利用者に与える不安は大きく、頻繁に発生すれば大変迷惑です。もし誤作動が起きたら、すぐに原因を特定し対策を打つ必要があります。




■自動火災報知設備が誤作動を起こす原因



台風の時に自動火災報知設備が誤作動を起こすのは、ほとんどの場合「雨の浸入によるショート」が原因です。自火報は電気機器なので、水濡れにとても弱いのはご想像いただけるでしょう。


たとえば、屋外に設置されている設備なら、雨が直接入り込むことがあります。台風の時は、強風による叩きつけるような雨や横殴りの雨が降るので、金属の箱のわずかな隙間からでも雨が入ってくるのです。屋内の設備でも、天井などから雨漏りした水が入り込んだり、結露したりする場合があります。


また、台風による気圧の変化も誤作動の原因です。事務所などの天井などに設置されている「差動式スポット型感知器」は、内部に「空気室」という風船のような空間があり、火災による熱を受けると空気室が膨張してスイッチが入ります。ところが、台風が来ると周囲の気圧が下がるので、空気室内の気圧が外部よりも高くなり、作動してしまうのです。


他にも、強風で飛ばされてきた飛来物が衝突したり、強風がダイレクトに当たり続けたりした場合も誤作動を起こすことがあります。もちろん、経年劣化や施工不良、ネズミの侵入など、台風とは関係のない理由で誤作動が起きている場合もあるでしょう。いずれにしても、誤作動が発生するケースは意外と多いのです。




■自動火災報知設備の誤作動が起きた時の対処法



自動火災報知設備が作動した時は、当然ながら本当に火災が発生している可能性もあります。極端なことをいえば、昨日誤作動が発生していたとしても、今日は本当の火災が起きているかもしれないのです。そのため、たとえ誤作動が疑われる場合でも、確実に「火災ではないこと」を確認しなければなりません。


そこでまずは、どこの感知器が作動したのかを確認しましょう。作動した感知器は横のランプが点灯するので、それを見れば場所を特定できます。次に、実際に現場を見に行って火災が起きているかどうかを確認してください。要するに、通常の確認手順通りに動くということです。


もし誤作動だと判明したら、「どこで」「何の装置が鳴っているか」を確認します。その上で、速やかに専門業者へ連絡してください。自分で操作しようとするのは、かえってトラブルを拡大させる可能性があるため避けるべきです。警報がうるさいかもしれませんが、施設の利用者には放送で案内するなどして対応しましょう。

また、管理者は誤作動中にどこにどの機器が設置されているか探し出すのが困難なため、普段から自動火災報知設備の受信機や発信機の位置や、屋内消火栓やスプリンクラー、泡消火設備の制御弁室の位置などを事前に把握しておくことが大切です。


絶対にやってはいけないのは、誤差動だと判明した時点で安心し、自分で警報を止めて放置してしまうことです。雨水の浸入や経年劣化によって誤作動が起きたのなら、火災発生時に正常に作動しない可能性があります。機器の交換や移設が必要になる場合もあるので、必ず点検しなければなりません。


加えて、誤作動が頻繁に起きていると、警報が鳴っても火災と思わなくなってしまいます。結果として警戒心が薄れ、本当に火災が起こった時に対応が遅くなり、被害の拡大を招くおそれがあるのです。誤作動への対応を含め、自動火災報知設備は普段からしっかりとメンテナンスを行い、いざという時に正常に作動するようにしておきましょう。


千葉県千葉市の新田防災では、大小問わず建物の消防用設備の点検・保守を行っております。自動火災報知設備の設置やメンテナンスも豊富な実績があり、施設の用途や規模に応じた正確な施工が可能です。もちろん、誤作動が発生した時の対応もお任せいただけます。消防用設備の設置・追加・点検が必要な時は、お気軽に新田防災までご相談ください。