皆さま、こんにちは。
千葉県千葉市を拠点に消防設備の点検・保守、工事を手掛ける有限会社新田防災です。
火災の発生を知らせてくれる自動火災報知設備(自火報)は、火災による被害を最小限に抑える上で非常に重要な設備です。しかし、自火報の設置は施設にとって負担になることもあります。そこで、もし可能なら「特定小規模施設用自動火災報知設備(特小自火報)」を設置するのがおすすめです。ここでは、特小自火報の特徴や設置基準について解説します。
■特小自火報と自火報の相違点
特小自火報とは、簡便に設置が可能な自動火災報知設備のことです。通常の自火報は、受信機の他に感知器・地区音響装置・発信機などの機器を建物全体に設置し、それぞれを配線で接続する必要があります。
その性質上、既存の建物に新たに設置する場合は、受信機の設置に加えて壁や床に配線工事を行わなければならず、多額の工事費用が生じることが多いのが欠点でした。何らかの理由で自火報の後付けが必要になった際、施設の管理者や所有者が費用の捻出に苦労することもあるでしょう。
一方、特小自火報は小型の連動型警報機能付感知器のみで構成されています。これは「火災の発生を感知した場合に火災信号を他の感知器に発信する機能」と、「他の感知器からの火災信号を受信した場合に火災警報を発する機能」を単独で備えています。しかも、電池式かつ無線式のため配線工事が不要で、とても簡単に設置できるのです。
ただし、特小自火報は通常の自火報に比べて機能が制限されるので、大きな建物では迅速に火災発生を知らせることができません。そのため、特小自火報を設置できるのは、原則として延べ面積300㎡未満の「特定小規模施設」に限定されています。これなら、無線式の連動型警報機能付感知器のみの構成であっても、通常の自火報において求められる機能を十分に発揮できるのです。
具体的には、延べ面積が300m²未満の宿泊所や民泊、病院、有床診療所、入居・宿泊可能な老人デイサービスセンターなどが特定小規模施設に該当します。これらの施設に火災報知設備を設置する時は、特小自火報が有力な選択肢となるでしょう。
■自火報の設置義務が拡大し、特小自火報の設置可能範囲も拡大
特小自火報は、小規模な施設に火災報知設備を設置したい場合にとても便利です。しかし、かつては現在に比べて設置可能範囲が狭く、それほど多くの施設に設置することができませんでした。では、なぜ設置可能範囲が拡大されたのでしょうか?
主な原因としては、自火報の設置義務の拡大が挙げられます。日本では、死者が多数発生する大規模な火災がしばしば起きています。特に問題視されたものは以下の通りです。
平成18年…長崎県大村市グループホーム火災
平成19年…兵庫県宝塚市カラオケボックス火災
平成24年…広島県福山市ホテル火災
平成25年…福岡県福岡市有床診療所火災
これらの火災の教訓から、主に就寝を伴う施設(旅館・ホテル、有床診療所など)で火災発生時の危険が大きいものに対し、自火報の設置義務が拡大されました。具体的には、延べ面積が300㎡未満の施設であっても、一定の条件を満たすなら自火報を設置しなければならないとしたのです。
しかし、それだけでは小規模な施設に財政や管理上の負担がかかってしまいます。そこで、設置義務拡大に合わせて「特定小規模施設省令」を制定。特小自火報の設置可能範囲を拡大し、小規模な施設の負担を減らしたというわけです。結果として、とても多くの施設に火災報知設備が設置されることになりました。
■現在は新基準案を検討中!設置のご相談は新田防災へ
自火報の設置基準は、世の中の状況に合わせて変えていく必要があります。実は現在も、現行の設置基準を改正しようという動きがあり、新基準案が消防庁にて検討中です。
どのように改正されるかはわかりませんが、内容次第では新たに自火報を設置しなければならない施設が増えるかもしれません。もしそうなったらお近くの専門業者に相談し、速やかに自火報・特小自火報を設置しましょう。
千葉県千葉市の新田防災では、大小問わず建物の消防用設備の点検・保守を行っております。自火報・特小自火報の設置・変更工事も豊富な実績があり、施設の用途や規模に応じた正確な施工が可能です。もちろん、設置後の点検もあわせてお任せいただけます。消防用設備の設置・追加・点検が必要な時は、お気軽に新田防災までご相談ください。