皆さま、こんにちは。
千葉県千葉市を拠点に消防設備の点検・保守、工事を手掛ける有限会社新田防災です。
近年では、既存建築物を用途変更して活用する方法が推進されており、実際に事例が増えてきています。その際、必ずチェックしておきたいのが「消防用設備の見直し」です。建築物の用途を変更すると、設置が義務付けられた消防設備も変わる場合があるため、注意しなければなりません。今回は、用途変更に伴う消防用設備の見直しのポイントをご紹介します。
■用途変更の際に消防用設備の見直しが求められるケースとは？
まず知っておきたいのは、用途変更をすると消防への届出が必要となります。
※2019年より、建築基準法で定めされる用途変更の際に確認申請が必要となる面積が、これまでの「100㎡以上」から「200㎡以上」となりましたが、消防法第17条では、面積に関係なく用途が変われば届出をする必要があります。
建築基準法と消防法を混合して考えている方や、変更する面積の大きさで設備の変更なども必要か否かを判断されている方はこの記事を参考にしてみてくださいね。
変更後の用途が消防法第17条で定める「防火対象物」である場合は、消防への届出が義務付けられています。防火対象物に該当する施設は、映画館や飲食店、店舗・展示場、旅館・ホテル、共同住宅、病院、介護・福祉施設、学校、図書館、美術館、工場などさまざまです。
そしてこれらの防火対象物では、大まかな分類ごとに設置すべき消防用設備が定められています。そのため、用途変更をする場合は、変更後の基準を満たせるように消防用設備を見直さなければならないのです。用途だけでなく、階数や面積などの条件によっても、必要な消防用設備は変わってきます。
特に注意が必要なのは、非特定防火対象物から特定防火対象物に用途変更した場合です。特定防火対象物とは、防火対象物のうち不特定多数の人が出入りするものや、火災発生時の避難等が難しいものをいいます。該当するのは飲食店や旅館・ホテル、高齢者福祉施設、幼稚園・保育園などです。
特定防火対象物は、他の防火対象物に比べて消防用設備の条件が厳しく指定されている他、消防用設備の点検報告も毎年行う必要があります。「もともと防火対象物だったのだから、用途変更後も大した差はないだろう」と考えるのは危険です。万が一に備え、しっかりと消防用設備を見直さなければなりません。
■消防用設備の設置義務を守らないと消防法違反になります！
防火対象物における消防用設備の設置は、消防法で定められた義務です。もし用途変更の際に消防用設備の見直しを怠り、必要な設備を設置しなかった場合は、消防法違反になってしまいます。もし違反すれば、消防局のホームページに違反情報が掲載された上に、罰金や懲役刑といった罰則を受けるおそれもあるため注意しなければなりません。
とはいえ、ルールが複雑であるために、「ついうっかり」が発生しやすいのも事実です。弊社が承った工事から一例を挙げると、それまでは事務所（テナント）だったマンションの1階部分を用途変更し、認可外の保育施設にしたケースがあります。保育施設は特定防火対象物ですが、実は建物の一部にこのような施設が入っただけでも、建物全体が特定防火対象物になってしまうのです。
近年は幼稚園・保育園が不足している状況が続いているため、空いている物件に適当に入ってしまい、後でトラブルになるケースが目立ちます。中でも、放課後デイサービスなどの認可が不要な施設が入居する場合は、事前のチェックが入らないため特に注意が必要です。消防用設備に不備があるにも関わらず施設を稼働させ、後日消防署に指摘されるというケースは珍しくありません。
結局のところ、「元の用途は何だったのか」「これからどんな用途で利用するのか」を、事前に詳しく確認することが重要だといえます。不動産のオーナー様や管理会社様は、新たな入居者を受け入れる際、必ず消防用設備に目を向けるようにしてください。
■まずはお近くの消防署に相談を！ 工事は新田防災にお任せください
用途変更に伴う消防用設備の見直しは、条件がいろいろと複雑なため、「何を設置すればいいの？」「そもそも見直しの必要があるの？」と困ってしまうこともあると思われます。このような時は、まず管轄の消防署に相談することが重要です。指導を担当するのはあくまでも消防署ですから、この段階で工事を担う業者に相談してもあまり意味がありません。
そして、設置義務のある消防用設備がわかったら、それを正確に設置できる専門業者に依頼する必要があります。消防用設備は、いざという時に不具合なく稼働できなければなりません。もちろん、法律の基準を守っているかどうかも大切です。十分な実績のある施工業者を選び、万が一の火災に備えましょう。
千葉県千葉市の新田防災では、大小問わず建物の消防用設備の点検・保守を行っております。用途変更に伴う消防用設備の設置・変更工事も豊富な実績があり、建築物の用途や構造に応じた正確な施工が可能です。もちろん、設置後の点検もあわせてお任せいただけます。消防用設備の設置・追加・点検が必要な時は、お気軽に新田防災までご相談ください。
