皆さんこんにちは。
千葉県千葉市を拠点に消防用設備の点検・保守、工事を手掛ける有限会社新田防災です。
消防用設備は、災害時に重要な役目を果たすため、定期的な点検が重要です。
今回は、消防用設備の中でも誘導灯の役割や必要性について説明していきます。いざというときに安全な避難を行うためにも欠かせない設備が誘導灯です。
ここでは、誘導灯が切れた時の対処法についても説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
■誘導灯とは?
誘導灯とは照明設備のことであり、災害時に人々が安全に屋外へ避難するためのもので、避難口や避難方向を指示しています。例え断線や停電があって通常電源からの電力供給がなくなったとしても、自動的に非常用電源に切り替わり、明かりを灯し続けます。
内部のバッテリーにもよりますが、一般的には20分以上明かりを灯すことが可能です。そのため、周囲が暗闇になったとしても、素早く屋外に出ることができます。誘導灯は、消防法だけでなく、各自治体の条例によっても定められていて、人が多く集まる場所に設置しなければなりません。
とくに大規模な建物であれば、屋外に避難するにも時間がかかります。そのため、60分間以上点灯可能な誘導灯を設置しなければなりません。
■誘導灯の種類
誘導灯の種類は、1つだけではありません。避難口誘導灯や通路誘導灯・客席誘導灯・階段通路誘導灯などがあります。それぞれの誘導灯がどういった役割を果たしているのかを、詳しく把握しておきましょう。
・避難口誘導灯
避難口誘導灯は、緑の看板に緑色の人が避難する様子が描かれているものです。避難口のドアの上に設置されている誘導灯で、暗闇でも緑色に光り、災害時に避難口がどこにあるのかわかりやすく示してくれます。
・通路誘導灯
通路誘導灯は、その名の通り通路の要所に設置されていて、絵柄は大きな緑の矢印と、端に緑の人が扉をくぐる場面となっています。緑の矢印が避難口を教えてくれるため、広い建物内の長い廊下でも道に迷わず、屋外へ素早く避難できます。
・客席誘導灯
映画館の客席などの足元に設置されている誘導灯が、客席誘導灯です。見た目はシンプルで、白い箱のような形をしています。規定以上の明るさにする必要があるため、絵柄などは描かれていません。足元にあるため、とくに明るさが重要な誘導灯となっています。
・階段通路誘導灯
階段通路誘導灯は、階段や傾斜路などに設置されている誘導灯で、一定の明るさを保つために矢印などは描かれていません。いざというときには、階段や通路は日の光が入らず真っ暗になってしまう場合が多く、避難するにもどこに向かえばいいかわからなくなってしまいます。そういった場合に階段通路誘導灯があれば、迷うことなく外に出られるでしょう。
■誘導灯の必要性
誘導灯は、夜間の災害時に点灯されることで、出口がどこにあるのかすぐにわかるため、安全かつ素早く屋外に避難できます。特に大きな建物では、誘導灯がなければ暗闇の中、どこに進めばいいかもわからなくなってしまうでしょう。
火災など建物内にいることでより命を脅かすリスクが高まる災害の場合は、素早く屋外に出ることができる誘導灯は必須といえます。また、誘導灯には設置基準があるため、専門の業者に依頼して設置する必要があります。誘導灯は、法律や条例でも設置が義務付けられているため、規定に則って必ず設置するようにしましょう。
・LED誘導灯のメリット
誘導灯には蛍光灯とLEDの2種類ありますが、蛍光灯は次々と生産が終了してきています。なぜなら、蛍光灯よりもLEDの方がメリットがあるからです。
生産が終了しているからといって替えの蛍光ランプまですぐに中止になるわけではありませんが、メリットやデメリットを考えると蛍光灯よりもLEDの方がおすすめです。LED誘導灯は、設置時に必要な費用はそれなりに高くなりますが、その分メリットが大きいのがポイントです。ここでは、LED誘導灯のメリットについて詳しく解説します。
高周波電源装置が不要
LED誘導灯ではコンパクト設計になるだけでなく、高周波電源装置が不要になる点がメリットといえるでしょう。LEDはこれまで使用されてきた蛍光ランプの一種である冷陰極管とは違い、高電圧を発生する電源部が必要ないからです。
冷陰極管は、寿命が長くて蛍光灯よりも小型に作成できるため重宝されていましたが、50Hz~60Hzの商用交流で使用することができませんでした。そのため、点灯するためには、専用の高周波電源装置が必要とされてきました。そういったデメリットをなくすことができるのが、LED誘導灯です。
節電ができる
LED誘導灯を使うメリットの一つに、節電ができるというものがあります。電気を光に変換することができるLEDは、エネルギー効率に優れた照明器具です。従来の蛍光灯に比べると約50%も節電できます。消費電力が少なければその分費用も浮くため、節電だけでなく必要経費も削減することができるでしょう。
24時間点灯している誘導灯なら、かなり大きな効果が期待できます。また、LEDライトは寿命が長く、通常の蛍光ランプの場合は1~2年程度でランプの交換が必要なのに対し、LEDランプなら本体の寿命が来るまで一度も変えることがない、といった場合もあります。電気代だけでなく、換えのランプを購入する費用も節約できるため、導入費用はそれなりにかかっても十分費用の削減が可能です。
長期間点灯する
LEDは、消費電力が少ない分少ない容量の蓄電池でも長時間の点灯が可能になります。特に災害時には、長く点灯できるLEDの方がより、安全に多くの方を屋外に誘導することができるでしょう。また、LEDは衝撃にも強いため、大規模な災害の際にも問題なく点灯できる可能性が高くなります。
■誘導灯が切れたらどうすればいいの?
誘導灯は定期的に点検する必要がありますが、もし切れてしまったらすぐに交換が必要です。交換せずに放置しておくと、いざというときに役にたたないからです。誘導灯は通常時は特に必要がなく、放置してしまいがちな場合もありますが、災害が起こったときに頼りになる証明です。
そのため、ランプが切れたまま放っておいてはいけません。とくにオーナーが変わった直後の建物などは切れたまま放置してしまうといったトラブルが起こりやすいため、注意が必要です。誘導灯が切れたら慌てることなく、業者に依頼して交換してもらいましょう。
・交換のサイン
誘導灯は、異常があるとサインが出ます。全ての誘導灯が同じというわけではありませんが、誘導灯の下部にはランプモニタと充電モニタがあります。ランプモニタの場合は、赤い光が消えていれば正常と判断できます。赤い光がついていれば、ランプが外れているか割れているかしているため、正しくつけるか交換が必要です。
赤いランプが点滅しているときは交換のサインなので、すぐに業者に依頼して交換してもらうようにしましょう。充電モニタの場合は、緑のランプです。ただし、ランプモニタとは違って緑のランプが点灯しているときは正常と判断できます。緑のランプが消えているときには、コネクタが外れているため、確認をしてコネクタを正常につける必要があります。
緑のランプが点滅している場合は、蓄電池の交換が必要です。LEDの誘導灯であれば、リモコンを使うことで点検も簡単にできます。リモコンの点検ボタンを押して充電モニタが緑色に1秒間点滅するようなら問題がありません。充電はできているのに赤点滅がしているという場合には、異常があると判断できます。気になる場合は、業者に依頼してチェックしてもらうと良いでしょう。
・誘導灯の寿命は?
誘導灯には、寿命があります。ただし、本体とバッテリーは寿命が違います。本体の寿命は8~10年程度で、バッテリーの寿命は4~6年程度です。例えばマンションやアパートを購入したときや劇場や映画館の施設を引き継いだ時など、まだ誘導灯の寿命があるのに交換してしまったり既に寿命が過ぎているのに気づかず放置してしまったりといったトラブルもあります。
管理会社がある場合には前回の交換記録などが残っているため、きちんと確認をしてください。とくに管理会社がない場合でも、前オーナーから資料を貰う、話を聞くなどして次回交換日を把握しておくことが重要です。
特に寿命が切れているのにそのままにしてしまうと良くないため、必ず確認しておきましょう。ただし、LEDランプを使用する場合は、LEDの寿命が10年程度あるため、本体の寿命が来るまで一度もランプの交換が必要ない場合が多いです。建物を引き継ぐ場合は、どのようなランプが使用されているのかもチェックしておきましょう。
・交換するには資格が必要
誘導灯を交換するには、電気工事士等の資格がなくてはいけません。ただし、バッテリーやランプの交換に資格は必要ないため、本体の交換でなければ業者でなくとも可能です。また、単に点検をするだけという場合も、とくに資格が必要なわけではありません。つまり、点検をして「ランプが切れているな」と思ったら、その場で交換することができます。
定期点検をするなら半年に1回程度がおすすめです。ただし、整備や本体の交換が必要な場合は「電気工事士」の資格が必要になります。また、1~3年に1回は消防署へ点検の報告をしなければならず、その場合は「消防設備士」「消防設備点検資格者」などの資格が必要になります。資格が必要な作業や報告があるときには、業者に依頼するようにしてください。
■まとめ
千葉県千葉市の新田防災では、大小問わず建物の消防用設備の点検・保守を行っております。
ビルオーナー様や管理組合の立場に立った消防用設備設置のアドバイスを行ったり、その後の点検も豊富な実績があり、施設の用途や規模に応じた正確な施工が可能です。
さらに、各種申請の代行もお任せいただけます。
消防用設備の設置・追加・点検が必要な時は、お気軽に新田防災までご相談ください。