梅雨時に多発!自動火災報知設備の誤作動の原因と対処法

皆さま、こんにちは。千葉県千葉市を拠点に消防設備の点検・保守、工事を手掛ける有限会社新田防災です。


火災の発生を知らせてくれる自動火災報知設備(自火報)は、どんな時でも正確に作動するようにしておく必要があります。しかし、火災が起きていないのに自火報が作動してしまうケースは珍しくありません。そして実は、梅雨の時期になると自火報の誤作動が増えることをご存知でしょうか。今回は、梅雨に自火報の誤作動が起きやすくなる理由や対処法をご紹介します。



■梅雨時に自動火災報知設備の誤作動が多くなる原因と対処法



梅雨時に自動火災報知設備の誤作動が増えるのは、雨がよく降って湿度が高くなるからです。湿気が多い環境では、自火報の内部が結露することがあります。そして水は電気を通すため、普段は切れている電気回路をつなげてしまい、火災発生時と同じように自火報を作動させてしまうのです。


また、水分によって電気回路の接点が錆びたり、雨漏りによって内部に水が入ったりして誤作動が引き起こされるケースもあります。さらに煙感知器については、内部に水滴や水蒸気が溜まっているだけでも誤作動を起こす可能性が否定できません。これは、水滴や水蒸気が煙と同じ「光の乱反射」を発生させ、煙感知器に煙だと誤認させてしまうからです。


対処法としては、自動火災報知設備を設置する時は「防雨型」を採用しましょう。これなら湿気の多い季節でも、自火報の誤作動を防ぐことができます。設置場所も、できる限り湿度が高くなりにくい場所を選ぶのがベストです。ちなみに、結露・浸水した自火報でも内部が乾燥すれば使用可能ですが、その後も誤作動を起こすようなら交換してください。



■その他の誤作動の原因と対処法



自動火災報知設備の誤作動の原因は、湿気以外にもいくつかあります。特に冬場に多いのは、暖房をかけて室温が急上昇したことによる誤作動です。


「差動式感知器」は室温の急上昇を感知して作動するため、「エアコンの設定温度が高すぎる」「エアコンやストーブが感知器のすぐ近くにある」といった状況だと、誤作動を引き起こす可能性があります。また、エアコンの風で舞い上がったチリ・ホコリが自火報の内部に入り込んだり、冷風が自火報に直接当たって内部が結露したりすることでも誤作動が発生します。


対処法としては、エアコンやストーブを自火報からなるべく離れた場所に設置しましょう。エアコンの風向を変えて、自火報に当たらないようにするのも有効です。感知器を差動式から定温式へ交換するという方法もありますが、これは所轄消防署の許可が必要です。


そして、経年劣化やメンテナンス不足によっても誤作動が発生する場合があります。自動火災報知設備は機械ですから、経年劣化による機能低下や不具合の発生は避けられません。さらに、ホコリや垢などが溜まることでも誤作動が起きます。熱感知器は15年、煙感知器は10年が更新の目安なので、定期的に交換しましょう。



■誤作動に備えて、自火報の確認や点検を行いましょう



ここまでご紹介してきたようなポイントを押さえても、自動火災報知設備が誤作動を起こすことがあります。そこで、もし誤作動が発生しても管理者様ご自身で対応できるよう、受信機、制御盤等をはじめポンプ室やアラーム弁の場所はあらかじめ把握しておきましょう。場所さえわかっていれば、誤作動を起こした設備を自分で止めることができます。


また、経年劣化による誤作動を防ぐためには、定期的な点検が最も重要です。必要に応じてクリーニングや部品の交換を行えば、自火報の機能を保つことができます。誤作動の防止だけでなく、本当に火災が発生した時に正常に作動させるためにも、信頼できる業者に自動火災報知設備のメンテナンスを依頼しましょう。



千葉県千葉市の新田防災では、大小問わず建物の消防用設備の点検・保守を行っております。自動火災報知設備の設置工事やメンテナンスも豊富な実績があり、施設の用途や規模に応じた正確な施工が可能です。もちろん、設置後の点検もあわせてお任せいただけます。消防用設備の設置・追加・点検が必要な時は、お気軽に新田防災までご相談ください。